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執筆者の写真Takeshi Goto

ストーリーテリング


先日ストーリーテリングに参加してきました。

ストーリーテリングは実にシンプルで話したいことを話す。他の人はそれを聞いていてただその話を受け取り、そして自分が話したいことがあったらそれを話す。実にシンプルなのですがそれが面白かった。

誰かの話を聞いて、自分の中に思い出されることがあって「そういえばこんなことあったな」というのが出てくるんです。それまですっかり忘れていたことが誰かの話をきっかけに思い出される。記憶の引き出しが突然開くような感覚はなんとも不思議で面白い。

そうやって話したいことが出てくるのも面白いのですが、私がもっとも印象に残っているのは沈黙でした。誰も話さない時間があるのです。普段会話に沈黙があると埋めようとしたり、別のことをしようとしたり、いかに無駄なく時間を使うかと考えがちですが、ストーリーテリングの時間では何もしないんです。話したいことが出てくるまで、誰かが話し始めるまでただ黙ってそこにいる。

終わった時のこれまでに味わったことのない充実感がありましたが、それは贅沢な時間の使い方をしたんだと感じたのだと思います。何もしないのが充実感になるって不思議です。

頭の中で「あれもしなきゃ」、「あれどうなってたかな」と別のことを考えることなく過ごし、ただそこにいることがなんともいえない幸福感に繋がる。

普段の日常が忙しいと感じているからこそ大事なことなんだと思いました。話すこと、聞くこと、そしてただそこにいること。ストーリーテリングの醍醐味を味わえたと同時に自分もそのただいるだけの良さを実感できたことも嬉しかった。


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