先日「アイアムサム」という映画を観ました。
7歳の知能しか持っていないハンディキャップのある父親が、ホームレスとの間に生まれた自分の娘を育てていく物語。生まれてすぐに母親は失踪し、一人で娘を育てていくが、娘が大きくなるにつれて自分の知能を超えてしまった時、親権を取られてしまうという展開になり・・・(Wikipediaより引用)。
私が引き込まれたのは父親を演じるショーンペンの演技です。
父親が娘を想う気持ちをピュアに表現する姿やハンディキャップの人間を演じるのもまるで本当にハンディキャップを持っているのではないかと思うくらい引き込まれる演技でした。特に最後のシーンでは娘への愛情が爆発するような表現は涙が止まりませんでした。
そこで表題の「なぜ俳優や女優に魅力を感じるのか」ということです。かっこいい、綺麗、スタイルがいいなどもちろんありますが、決してそうでもない人もいたり、俳優や女優以外でも容姿の優れた人はいます。
では何があるのかと今回の映画を観て思ったことは、「人の様々な側面を表現することができる」からではないかと思うのです。
娘への想う気持ちを喜びや苦しみ、葛藤で表現する。譲れないものへの想いの力強さや自分の内側にある弱さを隠そうとする姿など。演じる人物が変われば、クールな一面や、お茶目な一面を見せてくれる。実に様々な側面を表現してくれます。
それは誰かを演じてはいますが、見せているのは俳優自身の内側にあるもので、その俳優の様々な側面を使って演じている。ここに魅力を感じているのではないかと思うのです。
コーチングやリーダーシップについて私は学んでいて、人が魅力的に見える時、それはその人の本音が見えた時と言いますが、別の言い方をするといつもとは違う側面が観えた時とも言えると思います。「こんな一面があるんだ」と思えるとある種の安心感を覚えます。それが魅力的に映るのかもしれません。
これまでショーンペンという人物にほとんど興味を持っていませんでしたが、今回の映画を観て他に出演している映画も観てみたくなりました。
これまで観た映画の中でももっとも記憶に残る映画の一つになりそうです。