今思えば、傾聴を始めて知ったのは小学校2年生の給食当番のときの出来事だったかもしれません。
スープをよそう担当になったときに、「どれくらい入れたら全員に行き渡るのだろうか。少なすぎても余るし。。」と困って担任の先生に聞いたら、「目の前に取りに来た人の顔を見てごらん。たくさん欲しそうなのか、少ない方がいいと思っているかわかるから」と言われました。
「顔見てそんなのわかるの??」と最初は思っていたのですが、いざやってみると、確かにスープをみて美味しそうとじーっと見ている人や嫌いなものが入っているのかやや険しい表情をしている人もいて、自分なりに量を調節してやってみたところちょうど全員に行き渡りました。それで「結構顔でわかるんだ」と思えて嬉しくなりました。
あのときの体験は自分にとって人の気持ちや何を考えているかに興味を持つきっかけになっていたのではと思い返せばそう思えてきます。
その後、ホテルの仕事を選び、お客さんの言わんとすることを捉える、一を知って十を知るを求められる仕事についたのも、小学校の時のあの出来事があったことがつながっていたのかもしれません。
さらには、コーチングにおける傾聴は、相手の話している表情や声のトーン、目や体などの動き、雰囲気から伝わるものに意識を向けます。人は無自覚にそれらの情報をキャッチしているのですが、コーチはそれを自覚的に活かします。
コーチという、傾聴を活かす仕事をしているわけですから、些細な出来事も侮るなかれ。大人になっても覚えているということは私にとって大事なもの、興味につながるものに紐づく経験だったのだと思います。
日常の些細な出来事は、その時は忘れ去られがちですが、あとの人生に大きく影響していることは実は結構あるのかもしれません。
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